ライバルであるポルシェ944ターボと遭遇

さて、このスカイラインシリーズの性能目標が明確化されると同時に、飯嶋、川上らが
中心になって「スカイラインの走りのイメージ作り」が行われた。
それはすでに触れたように、「スカイラインは、シートに座った瞬間から走りを予感さ
せるようなクルマでなければならなどということであり、同時にこのスカイラインの走
りのイメージをすべての開発メンバーが共有することが必要であったからだ。「走り」と
いう、いわば抽象的なコンセプトをどのように具体化するかである。
飯嶋は次のようにいう。

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「なぜわれわれは新しいスカイラインの走りのイメージ作りにこだわったのか。スカイ
ラインに限らず、クルマの開発にかかわる人々には、それぞれの思いがあります。そうし
たそれぞれの人や、その部署なりの思い込みや熱意が高じると、かえってクルマはバラバ
ラになりやすいものです。走りのイメージをはっきりさせ、開発メンバー全員のベクトル
を合わせることで、ひとつの方向に向けて力を合わせることができるからです」
それは、苦い過去の教訓でもあったのだ。スカイラインの走りのイメージ作り、すなわ
ちどのような走りであるべきか、その具体的な走り質や目標を明確にするために走りのシ
チュエーション(場面)が飯嶋川上、渡遥らによって作られた。

走りのシチュエーションとは次のようなものであった。

「ある夜11。ガレージから墓凧・世田谷の用賀から首都高速に乗り入れ、高速・環状
線を一回りし、新宿線から中央自動車道から河口湖、御殿場を経て箱根の芦ノ湖スカイラ
インに。そしてこのワインディングロードでライバルであるポルシェ944ターボと遭遇
することになるl」

この走りのシチュエーションは、たんなるイメージストーリーではなかった。

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はるかに超越した存在であるGT‐X

ここでもう少し開発コンセプトを絞り込んでみよう。
商品本部のニュー・スカイラインに対する鮫も基禾的な原則は、1車種/1エンジンと
いうことであった。これは、動力性能に見合ったシャシーのチューニングを徹底するとい
う意味がある。そして、スカイラインシリーズの中で、中核となるモデルが20ターボ・
エンジン搭救車あったことはいうまでもない。20ターボ・モデル、すなわちGTSlt
がそれであり、さらにこれをべlスに徹底的に走りにこだわり、シャシーを思いどおりチ
ューニングしたスポーツパッケージ装着モデルがGTSltTypeMであった。
飯嶋はいう。

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「スカイラインシリーズ全体の構成をじゅうぶんに議論しました。その中で、20シリ
ーズの頂点のモデルをまずピカピカに磨き上げることが菰要でした。GTlR、その当時
のGTlXの企画椛想は、このGTSItTypeMの遥かに高い領域に位置付けられ
たのです。もちろん、それはわれわれにとってまったく未知の領域だったのです」
このことからも明らかなように、GTSltTypeMの目標をポルシェ944ター
ボ(より正確にはシャシー性能やステアリング・フィーリングなどの連動性能、それに動
R32型2″スカイラインシIノーズのスボーツモデルである、GTS-tTypeM
写真右のフロント用同様におごられた
2ポットのIノヤブレーキ(GTS-ttypeM)4ポット対向ピストンキャiノパー
力性能も)に定めたのである。
いつぽうはるかに超越した存在であるGT‐Xには、競合する目標はあるはずもなかっ
た。あるとすれば、ポルシャ944ターボを通じて知ったスポーツカーの至高の世界に対
する想像力とインスピレーションであった。

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BMW・M3はいかにも軽すぎる感じ

BMW・M3はいかにも軽すぎる感じがした。最初はベンッー90E剛l
略かなと思ったが、クルマを操る楽しさという点で今一歩という気がした。GTlRと対
比するつもりでもあったアウディ・スポーツ・クワトロやポルシェ959は、あまりにも
われわれの考えるイメージと違い過ぎた。けつきよくドライビングの楽しさ、操舵感など
の点で、ポルシェ944ターボをわれわれの目標とすることにしました。もちろんポルシ
ェ944ターボが完壁というわけではなく、欠点をいえばきりがなかったが、このクルマ
のいいところを学ぶということでした」
「例えばステアリングのフィーリングでいうと、ポルシェのはしっかりとドライバーに
伝わってくる。また足回りでは、ポルシェは路面の凹凸がガッンとくる。しかし、それは
路面を伝えているのだというようなことがわかってきました。それでいて本当のフラット
ライドはきちんとできている。だからガッンときてもまあいいか、という感じになります。

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われわれとしては一般の領域と高速の領域のどちらを選ぶか、またそのつながりをどうす
るか、というような問題が残されました」(飯嶋担当員)
このようにして、ニュー・スカイラインのシャシー性能のターゲットはポルシェ944
ターボが選ばれたのである。

初代スカイラインGT(S別B型)のデビューレースで、目前に立ちはだかったのはポ
ルシェ904であった。そして、期せずしてニュー・スカイラインシリーズの開発のター
ゲットとして浮かび上がったのもポルシェ944ターボ。これは偶然ではあるが、少なか
らず運命的な関係といってもいいだろう。

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ニュー・スカイラインのシャシー開発

そのために901連絡会では、設計、ステイリングデザイン、実験、そして
商品本部という、つまりあらゆる開発セクションの人々がフリーディスカッションを繰り
返し、スカイラインにふさわしい世界一の走りを突き詰めようとしていた。

その最初の段階となったのは、世界各国の走る性能の高さで定評のあるさまざまなクル
マにそれぞれのメンバーが乗ってみることであった。例えば、BMW・M3、メルセデス
さらに「GTX」のための比雌堅奮考車として実験部はアウディ・スポーツ・クワトロ、
ー90E鯛‐聰完フGTI、そしてポルンェ944ターボプ》ショ‐躯夕‐ボ岨I。

ポルシェ959まで取り揃えていた。

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この頃の思いを飯嶋は、つぎのように語っている。

「ニュー・スカイラインのシャシー開発については、われわれとしても密かに期するも
のがありました。スカイラインというブランドのイメージは、ある意味では日産のイメー
ジより高かった。ところがそのスカイラインの走りのイメージはすっかり失われていまし
た。スカイラインはS別B型のレースシーンを、S別型エンジンのハイパフォーマンスを
忘れては、もはやスカイラインではない。スカイラインは、どの部分を切っても走りでな
ければならず、実際にクルマを動かす前から走りを感じさせなければならないのです」
「そしてまずニュー・スカイラインの走りを突き詰めるために、皆でいろいろなクルマ
に乗りました。

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スカイラインの走りの復活を訴えた

さて、商品本部の伊藤主管のもとでニュー・スカイラインシリーズの開発コンセプトは
どのように固められていったのであろうか。伊藤主管は、「これまでのスカイラインの流
れをいったんゼロに戻し、クルマとしての本質である走りを突き詰める、それこそスカイ
ラインに期待されているものだ。そのためにはこれまでのスカイラインで伸ばすところは
伸ばす、そして切るべきところは切る。それがスカイラインの独自性であり個性である。

そしてヨーロッパの高性能車を凌駕する性能、走りを実現したい」と考えていた。

R32型スカイラインのイメージスケッチ
このようにニュー・スカイラインを位置付けた上で、さらにその頂点に位置するGTl
Rの復活を決意していたのである。
「自分が開発を指揮する時にGTlRを復活させることが夢であり、それなりの使命感
がありました」と伊藤主管は語っている。

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「GTIRはスカイラインの頂点として位置付けました。頂点という意味は究極のロー
ドゴーイング・スポーツカーであり、もうひとつは世界のツーリングカーレースを制覇す
るというふたつの意味がありました」
この企画時点からGTlRは『GTlX』というコードネームがつけられ、スカイライ
ンシリーズの基永燃懸から半年ほど遅れて開発はスタートしている。
ところでニュー・スカイライン全体のコンセプトメイキングと、開発初期の過程をもう
少し詳しく触れてみることにしよう。
伊藤主管が、商品本部の機憩としてスカイラインの走りの復活を訴えたことを受けて、
901連絡会が動き始めようとしていた。「スカイラインの走りとは何か」ということを
明確にし、開発にたずさわるすべてのメンバーがその走りの本質を理解する必要があった
わけである。

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完全にお手上げ

コロナのオートマチック車を買って「どう運転するの」と迷う人は少ない。したがって、ただ動かすだけなら車にあるマニュアルを読めばいい。
ところが、カローラでも同じだが、コロナやカリーナのようにありふれた車ほどユーザーは自己流の運転を押しつける傾向がある。
このような自分の経験だけでは、今の車に適した使い方ができないだけでなく、せっかくのいいところを知らないで終わってしまう。
これはもったいない。

コロナの場合、実用向きのハイメカ・ツインカム2〃が、とくにその傾向が強く、性能を生かしきっていない。その理由は、2″ツインカムになってから、
当然AT車が多くなり、力に余裕が出来たのでものぐさな運転になっているからだ。2〃なら1800より強力と思いこみ、それに甘えてしまう。
それがいいと言ってしまえばそれまでだが、急にスポーティな走り方をしようと思っても、そうはいうことを聞いてくれない。
こんな不満があるようなら、ちょっとしたテクニックでそれは解消する。

たとえば、この2〃なら、ATのDレンジだけで走っても、ATに適したトルクに余裕があるからほとんど問題なく走れる。
だが、この2〃のAT車は経済性を考えすぎて帥師/hでは1500rpmをわり、100m/hでも2100rpmに過ぎない。
流して走るには充分余力があるが、緊張して走る時には回転が低すぎる傾向がある。だから長距離を走ると燃費がいい。
ところが回転が低いので、混雑した道路、山道、雨の日など、Dレンジで走ると期待したほどパンチがない。
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突然の変化

しかし、アンダー・ステアはカローラ系などの場合は、急激にくることは少なく、
どちらかと言うと、予想したより曲がらないな、と感じる時が多い。

この時ふつうのドライバーは舵を余分に切ってごまかしている。
低速の時はそれでも何とかなるが、高速カーブでは加速するほど車がどんどん外側にズレていってしまうはずだ。
この時はタイヤの接地能力が一杯に使われているからである。
この場合には、滑る要因の「舵」か「駆動力」のどちらかを減らすしかない。

道路が広いのに自分で小回りしている場合は、残された幅の1mでも余分に大きく回ることだ。
それでも駄目なら、アクセルを僅かに戻してタイヤの縦方向の負担を減らしてやると、曲がるための横方向の能力が出てくる。
滑りだけでなく、タイヤの横方向の変形など負担が少なくなると、FF車は曲がりやすくなる。

このクラスのスポーティ・バージョンに乗る人は、どうしても前に行こう行こうと焦る。
そのためアクセルを全開にすることばかり考える。だが、FF車の宿命で、アクセルを踏むだけでは逆に速く走れない。
とくに大きなスポーツカーと違うのは、1600のスポーツ・ツインカム・エンジン。比較的回転の高い部分が使えるので、
最適なギアで敏捷に加速し、減速をコントロールするのがスポーティ・テクニックになる。
この積極的な減速が出来ないドライバーは、ダイナミックには見えるが危険な割に速くはない。

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お礼奉公

オーバー・パワーは駆動する前輪タイヤを空転させ、このタイヤが舵をとっているので、最悪の場合、曲がらない。
弱いスリップでは、予想したカーブの外側にコースがずれていく。FF車の場合はどんな名人でも、
この「アンダー・ステア」だけは避けられない。したがって、タイヤをすべらせない程度に加速して曲がるのがテクニックである。

アンダー・ステァが出やすいのは、路面の摩擦に対し、
①絶対的にスピードが高すぎて進入し、急ハンドルになった時。
②急ブレーキをかけながら、急ハンドルを切った時。
③適当なスピードだがセカンドなどで急加速しすぎた時。
つまり、いずれも前輪のタイヤの許容キャパシティを、①はタイヤの角度、②は制動力、③は駆動力、がオーバーになってスリップが発生する。
スポーツ走行ではコーナーの入り口で焦ってこれがミックスする。

①はFR車でも雨の日、雪道などで経験するが、
②、③はとくにFF車、スポーティ車で起きやすい。これはFF車の宿命で、そうならないようにするのが対症テクニックだ。

それには、①滑ると予想されるカーブの手前の直進のうちにスピードを下げる。
②急ブレーキをかけている時にハンドルを切らない。
③コーナーの中ではアクセルを踏みすぎない。

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こんな不安がある時は、構わずOD/OFFにするか、状況によっては2レンジにするとスピードの調節が楽になる。
いかに③、②速を使うか、それがこのエコノミー・マインドの車をキビキビと走らせるかの秘訣だ。

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私は内心不服だった

同じことは、AT車では③速(OD/OFF)か、2レンジのどちらにするかを手前で考える。
ATの場合は②でも120m/hまでOKだからマニュアルの③速に匹敵する・4A‐Gなら迷わず2レンジを選択する方がいい。
もう一段の高回転加速域はスポーツ・ツィンヵムの特権である。ふつうのエンジンのように5000rpm以上でもトルクが頭打ちにならないから、
まだ加速が伸びる。この高回転領域をうまく使えるようになったら一人前で、
まあ、普通は発進から急加速していく時に使えるが、コーナーなど不必要なところで回転ばかり高いのは下手な証拠だ。
その上のギアで走れないかをチェックしよう。

スーパーチャージャーつきの「4A‐GEZ」は、このNAのスポーツ・ツインカムにスーパーチャージし
ているので、最高出力が高いだけでなく、全域でレスポンスが力強い。
スーパーチャージとは、エンジンの回転で空気圧縮機を回して、エンジンの吸入する空気に圧力をかける装置で、エンジンが吸入するというより空気を押し込む感じになる。
したがって、エンジンの排気がふえてから圧力が上がるターボ・チャージャーでは一瞬加速が遅れるが、機械式のスーパーチャージではこの遅れがない。
そのため、低速域でも、高速回転域でも同じようにアクセルは敏感に反応する。
テクニックとしては、この鋭敏なアクセルに慣れることで、踏みすぎても戻すのではなく、あくまでも適当なところで加速する。
でご覧いただけます。

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修理中の自動車

マニュアル車ではロー・ギアがやけに低いのであまり回転を上げてしまうとセカンドにうまくつながらないことがある。
AT車ではこれがスムーズにいくが低速で走るのが分かっている時には、最初から2レンジか、DレンジのOD/OFFにしておくのがドライバーの選択である。
Dレンジだけに任しておくとアクセルだけでスピードの調節がやりにくい。
反対に、トバそうという時には、完全にスポーツ・ツインカムの性格を知る必要がある。これは3000rpmあたりで1段階、5000rpmあたりで1段階の加速感がある。
知らないで加速しても3000あたりから急激に速くなるのがスポーツ・ツィンヵムの味である。これより低いと、の昴駕回速ではレスポンスが良くない。
1段ギア・ダウンするのがスポーツ・ドライビングのコツ。

当然、坂道やコーナーでは、手前から状況を読んで余力のある3000.5000rpmの間になるギアにシフト・ダウンしておく。
レーシング・カーがコーナーで立ち上がりに合わせてダウンするのと同じだ。
ただし、実用車では、エンジンのトルク幅が広いので②③のどちらにするかを考える。②のほうが加速もいいが、FF車ではオーバーな駆動力はスリップにつながることが問題である。

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高回転ではどれだけ空気が高速で入るかで性能が決まるが、スーパーチャージでは高速でも強制的に空気が入るので性能が下がらないからだ。
スポーツ系の車種では、FF車になってからハンドリングはタイヤに依存している。FR車(AE86)では、
パワーをかけすぎても、後輪だけがスリップして横滑りするが、それを逆に切る「カウンター・ステア」で修正して走ることがテクニックだった。
しかし、FF車ではそれは出来ない。

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